愛知の伝統野菜②方領大根とは
2014.09.06
伝統野菜・固定種あいちの伝統野菜
方領大根(ほうりょうだいこん)
西春日井郡甚目寺町方領地区が原産地とされます。
肉が緻密で、純白であり煮物用品種として古くから知られており、特に「ふろふき大根」としての利用が絶品とされます。
江戸時代から栽培があり、明治になると早生、晩生と品種分化もはかられました。
全国各地に種子が販売され、練馬大根の元になった品種であるとされます。
宮重大根に次いで愛知県の種苗商のドル箱品種でもありました。
宮重大根と異なり葉が横に開き、小葉が大きく、葉色が淡く、毛が少なく、根部は水牛の角のように湾曲した物が良品とされます。
しかし種苗会社により収穫のしやすさや品揃いの改善のために、湾曲の少ない系統の母本を選抜してきた場合もあり、種の発売元で根部の形態はやや異なる場合があります。
現在販売されている多く品種は早生方領大根がほとんどであり、晩生の品種は消失してしまった可能性が高いと考えています。
原産地では町おこしの起爆剤として利用したいとして、在来品種の採種と保存に努めています。この品種は葉の特性から、葉大根専用の栽培も行われており、間引き菜の利用価値も高いものです。