キャベツ|BakerCreek|野菜の世界
2026.07.01
野菜遺産プロジェクト
日常に寄り添う、多彩な葉野菜
― 海外の種子カタログから見えてくる、その面白さ ―
アメリカの種苗会社 Baker Creek Heirloom Seeds が発行する種子カタログには、世界各地の野菜や品種が、美しい写真とともに紹介されています。
このシリーズでは、その中からひとつの野菜に焦点を当てて、特徴や品種、食べ方を少しずつご紹介していきます。
今回取り上げるのは「キャベツ(CABBAGE)」。
古くから世界各地で親しまれてきた野菜で、ヨーロッパを中心に広まり、現在では日常の食卓に欠かせない存在となっています。
穏やかな気候を好み、春から秋まで幅広い時期に栽培されるキャベツは、品種によって大きさや形、食感が大きく異なるのも特徴です。
丸く締まったもの、細長いもの、手のひらサイズのものから抱えるほど大きなものまで、その姿は実にさまざま。
やわらかな甘みと食べやすさで、生でも加熱でも楽しめる、懐の深い野菜です。
個性豊かなキャベツの品種
キャベツは長い歴史の中で、地域や用途に合わせて多くの品種が育てられてきました。
ここでは、カタログに掲載されている中から、いくつかの特徴的な品種をご紹介します。
■ Sapporo Giant(札幌大球)
北海道にゆかりのある巨大品種。
条件が良ければ20kg近くにもなるほど大きく育ちますが、その見た目に反して、やわらかく自然な甘みがあるのが特徴です。
かつては失われかけた品種ですが、生産者の手によって再び受け継がれてきました。

■ Filderkraut(フィルダークラウト)
ドイツ南部で育まれてきた伝統品種。
細長く大きな形が特徴で、やわらかくジューシーな葉はザワークラウトに適しています。
1700年代からの歴史を持つキャベツです。

■ Kalibos(カリボス)
円錐形で、赤紫色の美しい葉を持つ品種。
やさしい甘みとやわらかな食感で、見た目の華やかさと食べやすさを兼ね備えています。
サラダやピクルスなど、色を活かした料理にもよく合います。

■ Violaceo di Verona(ヴィオラチェオ・ディ・ヴェローナ)
イタリア・ヴェローナに由来する品種。
紫と緑が混ざる葉色が印象的で、寒さに強く、冬に向けて収穫されることの多いキャベツです。

同じキャベツでも、こうした形や色、背景の違いによって、味わいや使い方の幅が広がるのも魅力のひとつです。
日々の食卓で楽しむ、キャベツの食べ方
キャベツは、生でも加熱でも楽しめる使い勝手のよい野菜ですが、カタログでは、“保存しながら楽しむ食べ方”が紹介されています。
赤紫色のキャベツ「カリボス」を使い、細く刻んだキャベツに、ビネガーやスパイスを合わせて漬けることで、シャキッとした食感と鮮やかな色味をそのまま楽しめる一品に仕上がります。
伝統的なザワークラウトのように発酵させるのではなく、ビネガーで仕上げることで、短時間でも気軽に楽しめる味わいになっています。
さっぱりとした酸味とほのかな甘みは、サラダや付け合わせとしてはもちろん、パンや肉料理ともよく合います。

おわりに
キャベツは、日々の食卓で当たり前のように使われている野菜ですが、大きく育つもの、やわらかな葉を楽しむもの、色や形に個性のあるもの――
それぞれに違った魅力があり、使い方や楽しみ方も自然と広がっていきます。
「いつものキャベツ」と思っていた中にも、少し目を向けてみると、まだ知らない一面が見えてくるかもしれません。
今回紹介した内容は、Baker Creek Heirloom Seeds発行のカタログ
『The Whole Seed Catalog 2026』に掲載されています。
ご興味があれば、ぜひ手に取ってみてください。



