ビーツ|BakerCreek|野菜の世界
2026.06.17
野菜遺産プロジェクト
色と甘みを楽しむ、根と葉の野菜
― 海外の種子カタログから見えてくる、その面白さ ―
アメリカの種苗会社 Baker Creek Heirloom Seeds が発行する種子カタログには、世界各地の野菜や品種が、美しい写真とともに紹介されています。
このシリーズでは、その中からひとつの野菜に焦点を当てて、特徴や品種、食べ方を少しずつご紹介していきます。
今回取り上げるのは「ビーツ(BEETS)」。
古くはローマ時代から知られている野菜で、現在では主に根の部分を食べる作物として親しまれています。
じつは葉も食べることができ、若いうちはやわらかく、ベビーリーフとしても楽しめます。
赤いイメージの強いビーツですが、黄色や白、さらには縞模様のものまで、見た目にもさまざまな個性があります。
味わいはやさしい甘みがあり、品種によっては土の風味が控えめで食べやすいものもあります。
個性豊かなビーツの品種
ビーツは古くからヨーロッパを中心に親しまれてきた野菜で、地域や用途に応じてさまざまな品種が育まれてきました。
■ Golden Beet(ゴールデンビーツ)
鮮やかな黄色の根が特徴の品種。
赤いビーツに比べて土の風味がやわらかく、まろやかな甘みがあります。
調理しても色移りしにくく、扱いやすいことから、はじめてビーツを食べる方にもおすすめされています。

■ Mammoth Red Mangel(マンモス・レッド・マンゲル)
非常に大きく育つユニークな品種。
もともとは家畜用としても利用されてきた歴史があります。
イギリスでは、この巨大なビーツを使った「マンゲル投げ(mangel hurling)」と呼ばれる競技が伝統的に行われてきたという記録もあり、文化の一部としても親しまれてきました。

■ Cylindra(シリンドラ)
デンマーク由来の伝統品種。
細長い円筒形の根を持ち、均一にスライスしやすく加工や調理に適しています。
そのやわらかな食感から「バタースライサー」と呼ばれることもあり、ジュースや加熱調理など幅広い用途で楽しまれています。

■ Albino(アルビノ)
オランダにルーツを持つ、白いビーツ。
一般的なビーツのような土の風味がほとんどなく、すっきりとした甘さが特徴です。
生のままスライスしてサラダに使うなど、軽やかな食べ方にも向いています。

同じビーツでも、こうした背景や用途の違いによって、味わいや楽しみ方が大きく変わってくるのも魅力のひとつです。
さっぱり楽しむ、ビーツの食べ方
ビーツはローストや煮込みだけでなく、軽やかに楽しむこともできます。
カタログでは、ハーブや野菜と合わせてライスペーパーで包む「サマーサラダロール」が紹介されています。
軽く蒸したビーツやにんじん、きゅうりを、ハーブや葉物とともに巻き、レモンとビネガーを使ったさっぱりとした味わいでいただく一品です。
見た目の彩りも美しく、ビーツの色をそのまま楽しめる食べ方のひとつです。

おわりに
ビーツは、色や見た目の違いだけでなく、味わいや用途、そして背景にある文化まで、それぞれに個性のある野菜です。
「こんな品種があるんだ」「こんな食べ方もあるんだ」と、気軽に楽しんでいただけたらうれしいです。
今回紹介した内容は、Baker Creek Heirloom Seeds発行のカタログ
『The Whole Seed Catalog 2026』に掲載されています。
ご興味があれば、ぜひ手に取ってみてください。



