夏に植える面白い野菜|7月・8月に育てられる珍しい野菜とそのルーツ
2026.07.16
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でも実は、夏の暑さの中でも元気に育つ野菜はたくさんあります。その中には、スーパーではあまり見かけない、ちょっと面白い姿の野菜など個性豊かな野菜がたくさんあります。
この記事では夏に育てられる面白い野菜のルーツや育てる楽しみについて紹介します。
7月に植えられる面白い野菜
7月は、夏の暑さを活かして育つ野菜の種まきを楽しめる時期です。
ここでは、7月頃までに種まきをすることで夏から秋にかけて収穫できる、見た目がユニークな野菜を紹介します。
ここで紹介する野菜の他に、7月に植えられる野菜をもっと知りたいという方は、「7月にまく野菜の種」も合わせてご覧ください。
えっ、どこまで伸びるの?!十六ささげ(じゅうろくささげ)

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| 十六ささげ | 固定種 | 6-7月頃 | 約60日 | 長さ約30cm前後 (長いものは50cm近くになる) |
プランター 地植え |
十六ささげは、豆の仲間です。とはいえ、一般的なインゲンの約3倍、30〜50cmほどまで長く伸びることもあるため、初めて見ると「本当に豆?」と驚くかもしれません。
名前の由来は、莢(さや)のなかにあり、1本に豆が16粒並ぶことから「十六ささげ」と呼ばれるようになったといわれています。
やわらかくクセのない味わいで、長いまま豪快に茹でたり、天ぷらにしたりするのもおすすめです。見た目のインパクトだけでなく、収穫してから食べる楽しさまで味わえます。
平安時代にアフリカからやってきた愛知の伝統野菜
十六ささげはアフリカ原産とされ、高温や乾燥した環境に適応してきたことから、暑さや乾燥に強い野菜として知られています。
日本へは平安時代には伝わってきた記録が残っています(東大寺の記録)。その後、愛知県の尾張地域で広く栽培されるようになり、大正時代には約100ヘクタールもの栽培面積を誇った、愛知を代表する野菜のひとつです。
昨日よりまた伸びてる!変化を感じながら育てられる
十六ささげは暑さや乾燥に強く、6〜7月頃の種まきにも適した育てやすい野菜です。夏の高温期でも元気に育ち、プランターでも栽培できます。
育てる一番の楽しみは、つるや莢が毎日のように伸びていくこと。「昨日よりまた伸びてる」と変化を感じながら育てられるので、観察する時間も楽しみになります。
収穫のタイミングはお好みで。30cmものさしと見比べながら、「今日はこのくらいかな」と収穫時期を決められるのも、十六ささげならではの魅力です。
詳しい育て方についてはこちらをご覧ください。
半分白い?イボだらけ?同じキュウリでも見た目が違う四葉胡瓜と相模半白胡瓜

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| 四葉胡瓜 | 固定種 | 4-7月頃 | 約50~60日 | 長さ20〜30cm | プランター 地植え |
| 相模半白胡瓜 | 固定種 | 4-7月頃 | 約50~60日 | 長さ20〜30cm | プランター 地植え |
四葉(スーヨー)胡瓜は、表面にとげのようなイボがびっしりで、ゴツゴツとした、なんとも個性的なきゅうりです。皮が薄くて歯切れがよく、香りも味も濃いのが持ち味。漬物にすると、パリッとした食感と濃い風味が際立ちます。
相模半白(さがみはんじろ)胡瓜は、実の先のほうが白っぽい「半分白い」きゅうりです。シャキシャキの食感で、加熱するとズッキーニのような食感にもなります。
中国から伝わった四葉胡瓜と、神奈川で生まれた相模半白胡瓜
四葉(スーヨー)胡瓜は、中国の華北地方が原産とされ、日本へは昭和19年ごろに伝わったとされています。
本葉が四枚ついた頃から実がなり始めることから四葉胡瓜と名付けられました。
相模半白胡瓜は、昭和4年に、神奈川県の平塚で生まれた在来系統の品種です。かつては各家庭で親しまれていましたが、東京オリンピック以降、料理に映える鮮やかな緑色のきゅうりが好まれる傾向が強まり、次第に市場で見かけなくなっていきました。
朝と夕で見違える!ぐんぐん育つ様子を楽しめる
四葉胡瓜も相模半白胡瓜も生育旺盛で暑さに強く、初心者でも育てやすい野菜です。
つるがぐんぐん伸び、実は日に日に見違えるほど太ります。
育てる一番の楽しみは、実がぐんぐん太っていくこと。早朝にはまだ小さかった実が、夕方には収穫サイズに育っていることもあり、その成長の早さは見ていて飽きません。
収穫した珍しいきゅうりが食卓に出ると、それだけで「これ何?」と話が弾みます。育てた野菜をきっかけに家族の会話が広がるのも、ちょっとした楽しみです。
詳しい育て方については四葉胡瓜、相模半白胡瓜をご覧ください。
莢を開けたらびっくり!豆が特徴的なつるなし長うずらいんげん

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| つるなし長うずらいんげん | 固定種 | 5-7月頃 | 約50日 | 長さ12〜15cm | プランター 地植え |
つるなし長うずらいんげんは、見た目は普通の緑のさやいんげんです。この豆の面白さは、さやの中に隠れています。
収穫せずに残したさやを、そのまま完熟させて乾かすと、中から茶褐色のうずら模様の豆が現れます。その姿がうずらの卵にそっくりなことから、日本では「うずらいんげん」と呼ばれ、 英語ではまだら模様の豆としてpinto beanと呼ばれることもあります。
つるなし長うずらいんげんの若い莢は、繊維が少なくてやわらかく、甘みと風味が豊かです。油炒めやおひたしにすると、採れたてのおいしさが楽しめます。
江戸時代に禅師が伝えた中南米生まれのいんげん
いんげんは、長い歴史をかけて世界へ広がってきた豆です。インゲン豆のふるさとは、中南米地域で、一万年ほど前から育てられてきたといわれ、ヨーロッパへの伝播には、コロンブスの航海が大きく関わったとされています。
日本へは江戸時代に、明(みん)から渡来した僧・隠元(いんげん)禅師が伝えたとされ、「いんげん」という名前の由来になった、と言われています。
うずらいんげんが広く育てられるようになったのは明治時代で、北海道の開拓とともに、各地へ広まっていきました。
若いさやと完熟豆、ひと株で2つの味を楽しめる
つるなし長うずらいんげんは生育も早く、手がかからないため、初めて育てる方にもおすすめです。名前のとおりつるが伸びないので、 プランターでも育てられます。
育てる一番の楽しみは、ひと株で2つの味を楽しめること。7月に種をまけば、夏のあいだは若いさやを収穫でき、いくつか残して完熟させれば、秋にはうずら模様の豆が現れます。
若いさやは炒めものに、完熟した豆は煮豆にして。同じ株から、違う味わいを楽しめるのも、つるなし長うずらいんげんならではの魅力です。
詳しい育て方についてはこちらをご覧ください。
8月に植えられる面白い野菜
8月は、まだ暑さが残る時期ですが、これからの涼しい季節に向けて野菜の種まきを楽しめる時期です。
ここでは、8月頃に種まきをすることで秋から冬にかけて収穫できる、見た目がユニークな野菜を紹介します。
ここで紹介する野菜の他に、8月に植えられる野菜をもっと知りたいという方は、「8月にまく野菜の種」も合わせてご覧ください。
2色の色味が珍しい長型赤白はつか大根

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| 長型赤白はつか大根 | 固定種 | 3-10月頃 | 約20〜30日 | 長さ約4〜5cm | プランター 地植え |
長型赤白はつか大根は、すらりと細長く、上3分の2が赤色、下3分の1が白色のちょっとおしゃれな色使いの品種で、スーパーではあまり見かけません。
長型赤白はつか大根は、抜きたては歯切れがよく、ほんのり辛みと甘みを感じられます。
薄くスライスしてサラダにしても浅漬けにしても、葉っぱまで全て美味しく食べられます。
明治に渡ってきたフランスの朝食でおなじみの大根
長型赤白はつか大根の英名は「French Breakfast Radish」。その名のとおり、フランスのマルシェ(市場)ではおなじみの野菜で、ラディッシュにバターと塩を添えて朝食に食べるのが、親しまれてきた食べ方のひとつだといわれています。
日本へやってきたのは明治のはじめごろ。ヨーロッパ生まれの小さな大根として伝わり、今では家庭菜園でも育てやすい野菜として親しまれています。
芽が出てから収穫まであっという間!変化をすぐに楽しめる
長型赤白はつか大根は、春から秋まで育てられ、種まきから約20〜30日で収穫できる育てやすい野菜です。
育てる一番の楽しみは、変化の早さです。芽が出て、根がふくらみ、収穫を迎えるまでの一部始終が、わずか3週間ほどで楽しめます。生長が目に見えて進むので、育てているあいだも飽きません。
種をまいてすぐに収穫して食べたい方にぴったりで、親子で野菜づくりを楽しむのにもおすすめです。
詳しい育て方についてはこちらをご覧ください。
切った瞬間に驚き、オレンジミニ白菜

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| オレンジミニ白菜 | F1種 | 8-9月頃 | 約60日 | 長さ約20~30cm 重さ約1.5kg 通常の白菜(2~2.5kg)よりも小ぶり |
プランター 地植え |
オレンジミニ白菜は、カットして数秒後に断面が黄色からオレンジ色に変化していくちょっと変わった白菜です。
オレンジミニ白菜は甘みがありやわらかく、 生のままサラダで食べるのがおすすめです。
中国から伝わり、日本で新しく生まれた白菜
白菜は、日本では意外と歴史の浅い野菜です。中国で生まれた白菜が日本へ伝わったのは明治時代で、広く食べられるようになったのは大正以降のことでした。
なかでもオレンジミニ白菜は、1990年頃に日本で交配によって生まれた比較的新しいタイプの白菜です。古くから伝わる野菜とはまた違う、近年生まれた面白い野菜のひとつです。
一番の楽しみはカットの瞬間!育てた人だけが色の変化を楽しめる
オレンジミニ白菜は小さめのサイズなので、大きめのプランターでも育てられます。
育てるあいだは、少しずつ「白菜らしく」なっていく姿も楽しめます。はじめは葉が外へ広がり、やがて立ち上がり、中心をくるくると巻きながら、まあるく結球していきます。「だんだん白菜になってきた」と、その変化を見守る時間も楽しいものです。
そして一番の楽しみは、収穫した白菜に包丁を入れる瞬間です。オレンジミニ白菜は、カットして数秒後に断面が黄色からオレンジ色に変化していくため、育てたからこそ味わえる楽しさです。
詳しい育て方についてはこちらをご覧ください。
まるでスイカ!?真っ赤な中身が特徴的な紅芯大根

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| 紅芯大根 | 固定種 | 8-9月頃 | 約60~80日 | 直径7〜10cm | プランター 地植え |
紅芯大根の見た目は、皮が薄緑のごく普通の大根です。ところが切ってみると、まるでスイカのように、中はおどろくほど真っ赤。
辛みはおだやかでほんのり甘く、生のままサラダや酢の物にすると、鮮やかな色が引き立ちます。
「心の中が美しい」と名付けられた中国生まれの大根
紅芯大根のふるさとは中国です。中国名は「心里美(シンリメイ)」。「心の中が美しい」という意味で、表面は地味なのに切ると中が真っ赤で美しい、その姿にぴったりの名前です。中国では、お祝いの席や飾り切り(カービング)に使われてきました。
日本へやってきたのは1972年頃。日中国交正常化の頃に、チンゲンサイなどと一緒に伝わってきた、比較的新しい野菜です。
中はどんな色だろう?わくわくしながら育てられる
紅芯大根は、深さのあるプランターがあれば、ベランダでも育てられます。
紅芯大根の楽しみは、なんといっても包丁を入れる瞬間です。抜いた時は薄緑色の、ごく普通の大根の見た目です。だからこそ「中はどんな色になっているんだろう」と、収穫したあともワクワクが続きます。そして、いざ切ってみると、ぱっと広がる、真っ赤な断面。
その「わっ」と驚く一瞬は、育てた人だけが味わえるごほうびです。
詳しい育て方についてはこちらをご覧ください。
初夏や初秋に植えられる珍しい野菜たち
7月と8月に植えられる野菜について紹介してきましたが、初夏から初秋にかけて植えられる、ちょっと変わった野菜は他にもあります。
他にも夏に植えられる野菜をもっと知りたいという方は、6月に植えられる野菜や
9月に植えられる野菜もご覧ください。
苦みが少ない可愛らしい白れいし・沖縄白苦瓜

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| 白れいし・沖縄白苦瓜 | 固定種 | 4〜6月頃 | 開花から 約20〜25日 |
長さ約10〜15cm | プランター 地植え |
見慣れた緑ではなく、まるで翡翠のように真っ白なゴーヤです。
苦みも緑より少ないと言われ、見た目の可愛らしさは抜群です。
本当にとうもろこし?!珍しい色味の黒もちとうもろこし

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| 黒もちとうもろこし | 固定種 | 4〜6月頃 | 約90〜100日 | 草丈約150〜180cm 長さ約15cm |
地植え |
熟すにつれ実が黒く変化する珍しいとうもろこしです。
草勢強健で、土質を選ばずに良く生育する、生育の早い早生種です。肉質は柔らかくモチモチした食感で甘味を楽しめます。
真っ赤な色味が特徴のデトロイドダークレッド

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| デトロイドダークレッド | 固定種 | 4〜9月頃 | 約60日 | 直径約5〜7cm | プランター 地植え |
切ると、中から赤い渦巻き模様が現れる、ヨーロッパ生まれの野菜です。サラダやスープ(ボルシチ)でおなじみで、ほんのり甘い味わい。生育もそろいやすく、初めての方でも育てやすい品種です。
切ると驚き!中まで緑のビタミン大根

| 野菜名 | 種類 | 種まき時期 | 収穫の目安 | 大きさ | 育てる場所 |
| ビタミン大根 | 固定種 | 8〜9月頃 | 約60日 | 長さ約15〜25cm | プランター 地植え |
普通の大根とも紅芯大根とは違い、切ると中が「緑色」の珍しい大根です。中国生まれで、皮も中も青緑色。フルーツのような甘みがあり、生のままサラダにすると、彩りも楽しめます。
スーパーにはあまり並ばない、ちょっと変わった野菜たち。
そのひとつひとつにルーツがあり、その野菜ならではの育てる楽しみがあります。
30センチ以上に伸びる長い豆、半分だけ白いきゅうり、切ると驚きの色が広がる白菜や大根。どれも、育てた人だけが楽しめる野菜たちです。
朝、成長を見るのがちょっと楽しみになる。
収穫した野菜が食卓にでると、家族の会話が広がる。
そんな小さな積み重ねが、毎日をほんの少し豊かにしてくれます。
今年の夏は、ちょっと変わった面白い野菜を育ててみませんか。
きっと、毎日の楽しみがひとつ増えるはずです。
「野菜遺産PROJECT」では、育てた野菜やおすすめのレシピを共有することができます。みなさんの体験を是非シェアしてみてください。



